知的財産権の翻訳

知的財産権の保護と社会的利益

What is essential is invisible to the eye. 

翻訳のサムライの特許文書翻訳私は仕事がら教壇に立って英語を教えることがありました。それは小学生の子供たちにもおよび、子供たちの教育ということの中で、彼らが両親から、または学校の先生から学ぶべきことで最も大切なことは何か、と考えると、私は上のことば、What is essential is invisible to the eye. (ほんとうに大切なものは目に見えない)だと思います。

この言葉は、The Little Price (日本語訳:星の王子様、1953年内藤濯)の中で語られる言葉で、星の王子様が偶然畑の中でキツネに出会い、このキツネが星の王子様に説くヒトであることの真理です。この寓話はフランス人の飛行士アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリAntoine Marie Jean-Baptiste Roger, de Saint-Exupéry の著作によるもので、1943年にアメリカで初版(英語版)が出版されて以来世界中の多くの国で各言語に翻訳され多数の翻訳版が出版されている古典です。

著作者サン テグジュペリはフランス人ですが、初版はフランス語ではなく英語でアメリカで出版されています。この英語版が米国にアサイラム中であったサン テグジュペリ自身の英語による著作によるものか、翻訳者が著作者によるフランス語の原作に基づいて英語の翻訳版を派生させて書いたのか自分は知りませんが、初版がフランス語ではなく英語訳であったということに興味を覚えます。

1943年というと、時は第2次世界大戦のさなか、フランスはドイツの制圧下にあり、またサン テグジュペリはこの著作をドイツ制圧下のフランスで様々な活動を制限されていた友人である作家レオン・ヴェルトに献呈しており、子供向けの童話とはいえナチズムに対するシニシズムも垣間見え、フランスでは出版はほぼ不可能だったという事情があるように感じます。

ではそのような背景の中でアメリカでこの著作を出版し、結果的に世界中の人々に愛されるようになることを可能にした要素はなんであったのか。それは著作権や翻訳権などの知的財産権の保護の仕組みであると思います。

知的財産権(知財権)保護の意義

アメリカの出版会社がこの本を編集し、(もしかするとさらに英語訳に翻訳し、)出版し、販売促進する費用を捻出できたのは、この本をアメリカで出版すれば利益が生まれるとよんだからでしょう。もし本著作が著作権、(もしかするとさらに翻訳権)によって守られていないとすれば、すなわち他の出版社等が随意にコピーキャットすることが可能であるとすれば、この著作の出版はリスクが多きすぎてエンタープライズとして取り組むことができません。

日本でもこのThe Little Prince (仏語:Le Petit Prince) は1953年岩波書店から内藤濯訳が出版されました。岩波書店が独占的な翻訳権を保有していました。日本で「星の王子様」として日本語訳され多くの人に愛されるようになるまで普及したのはもちろん原作のテーマの普遍性によるものですが、前述の知的財産権の保護が大きく貢献したことはいうまでもありません。

専有財産権を保護することの利益vs社会の財産として共有することの利益の調整

日本での著作権・翻訳権の期間が2005年に満了して、その後内藤濯の名訳「星の王子様」以外の日本語訳が数多く出版されるようになり、日本での星の王子様の読者層はさらに広がりました。知的財産権は、一定期間その芸術作品などを個人の専有財産として保護して制作者にインセンティブを与えさらに企業による営利活動を促進して社会での普及を助け、そして一定期間を徒過したあとはそれを満了させることによって、すでに多くの人に知られるようになったこれら芸術作品・文化財をさらに社会的財産としてだれでも広く利用できるようにして公知(public domain)のものにするという大切な役割があります。

知的財産関連文書の翻訳

知的財産権(Intellectual Property Rights)には特許権、著作権、著作隣接権、翻訳権の他、実用新案権、意匠権、商標権、人格権、営業秘密などがあります。特許翻訳に加えて、これら知財関連の権利の登録出願その他知財関連文書の翻訳(日英訳英日訳)は翻訳のサムライにおまかせください。

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翻訳のサムライの首席翻訳者(永江俊一:東京大学経済学部卒、経済学士)は知的財産権に関わる法律の知識に加えて、日本語、英語のさまざまな書籍を読み込んでおり、重工業(石川島播磨重工業)、自動車製造業(フォード自動車株式会社)、不動産開発業(株式会社大京)、海外子会社の経営幹部職員の職歴を通じて、工業・機械の他著作権、商標権、意匠権など知財翻訳に必要な実務的知識を備えています。知的財産に関連する様々な文書の日英訳、英日訳の文章の中での技術的整合性も含め翻訳者、編集者がドラフトした日本文、英文の慎重な見直しとサインオフを怠りません。

 

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